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教育制度論

教育制度論

2・4年次 小学校教諭必修科目 幼稚園教諭必修科目 前期(シラバス

子ども教育学科 准教授 下村一彦

――この科目では、どのようなことをやるのですか?

 幼稚園や小学校の先生が、どのような法律(制度)の下で、子どもの教育に携わるのかを、歴史的な変遷や国際比較も踏まえて理解する授業です。例えば、戦前の教育が不平等や国家主義的なものであったことは多くの人が認識していますが、どうして不平等になったのか、どうして国家主義になったのかを理解することで、今日目指されている平等で民主的な教育を護り発展させていくことが可能になります。教員として市民として、教育の在り方に関心を向け、考えられる土台を提供したいと考えています。

――取材のとき、教育基本法の条文について、1つ1つ時間をかけて丁寧に解説を加えながら扱っていましたね。

 法律の条文は、キーワードを中心に頭に入れていて欲しいと思うと同時に、採用試験対策などで味気なく扱うのではなく、制定の背景や今日の課題を踏まえて把握してほしいと考えています。例えば、家庭教育の重要性が規定された背景にある家庭教育力の低下の具体的な現状や、その低下を食い止め補う教員としての対応例などを組み合わせた授業を意識しています。

――受講生たちの様子をみていかがですか?

 私の質問に対して学生同士が話し合う、応えるということを講義の授業であっても大切にしたいと考えています。受講生は100名程おり、大学内でも最大規模の授業ですが、真剣に考え話し合ってくれる姿に私も楽しく授業をさせてもらっています。

――高校生の皆さんへ、伝えたいことがあればどうぞ。

 法律・制度・歴史、どれも堅苦しく難しい響きがあります。しかし、当たり前と思っていた6年間の小学校が変わろうとしている背景や目的を知りたくないですか? 実は身近なことを扱っていますから、どうして? を大切に受講してくれると嬉しいです。

――ありがとうございました。

受講生たちの感想より

 豊かな実体験や、時事的な出来事も交えて授業が進行していくので、教育の制度はもちろん、これからの教育についても考えられます。教育者になるためのエッセンスいっぱいの楽しい授業です!

 下村先生の関西弁で繰り出されるトークは重く難しい話を笑いに変え、教室の雰囲気を穏やかにしてくれます。その中で受ける授業は、とても面白く、分かりやすいです。

 授業なのに教育番組を見ているかのようなわかりやすさと引き込まれやすさがあります。友達と意見を交換しながら、楽しく学ぶことができると思う。

 内容は難しいが、今の日本の教育や政治の現状を入れ、授業への内容を深めながら、授業を行っているため、とても分かりやすい。

 教育制度論は、教育者になるにあたって、とても重要なことを学ぶことができる授業です。特に教員採用試験を受験する人にとっては、教職教養の基礎となる授業でもあるため、ぜひ受講すべきだと思います。またこの授業は、教育時事について考える場面もあり、自分の教育に対しての考えを深めることができます。

 新聞、テレビで目にする名前からして難しくて触れたくない法律等を、実際の現場の様子を踏まえながら、重要な部分をしっかりと学ぶことが出来る。そして、実習やインターンシップ等、現場に行った際に学んだことを実際の姿として再度学ぶことが出来た。

(取材:2014年7月)