23 食わず女房 

 あんまり慾のふかい人たったずけど。そいつが、
「飯(まんま)食ねおかた、欲しい」
 て、念願に思って、ちょうど探しつけたど。そしてもらった嫁が口ぁなかったど。ほだから、
「おれの嫁にはふさわしい嫁だ、ええ嫁だ、ええ嫁だ」
 て。賞めてみたところが、河童だったど。夜中に飯(まんま)つめ込む…。あんまり慾たけるもんでないど。
(鈴木ひろ)
>>中津川昔話集(上) 目次へ