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心理学実験A
開講年次:3年次
卒業:選択 認定心理:必修
開講時期:前期 授業形態:実習 授業回数:15 回 時間数:45 時間 単位:1 単位
松 田 浩 平
■ 科目のねらい
本科目は、子どもの理解から人間の理解へと学修の視野を段階的に広げ、深化させる科目であり、実体験による学修により、心理学実験に臨む態度と被験者とのラポールおよびコミュニケーションがでことと、実験結果について科学的な報告書の作成ができる先行研究などを引用して考察ができるようになることを目標とする。
■ 授業の概要
心理学研究で必要とされる, 基礎的な実験法ならびにデータ処理・報告書の作成等について実習する。心理学実験演習Aでは、独立変数と従属変数の設定、精神物理学的測定法、要求水準、認知的葛藤なをの実験を体験する。結果を図表による効果的な表示、統計的推定と検定、報告書の作成について学修する。グラフの作成方法および実験レポートの書き方についても併せて指導を行う。これらの実体験を通じて, 心理学における実験的研究法の手続きや手順とを学ぶ。
■ 達成目標・到達目標
心理学実験に臨む態度と被験者とのラポールおよびコミュニケーションができる。
実験モデルに対応した独立変数の操作と従属編集の観察や測定ができる。
実験結果について図表を用いて効果的な表示と報告書の作成ができる。
実験結果について、先行研究などを参照しながら考察することができる。
■ 単位認定の要件
授業内で実施される実験に参加し、実験報告書を全て提出すること。提出を求める実験報告書は、「判断における係留効果」「恒常法による触2点閾の測定」「 要求水準」「系列位置学習」「対連合学習」「認知的葛藤」「一対比較法による好悪判断」の7編となります。なおレポートは少なくとも6編以上の提出が無い場合は,認定心理士の単位認定基準により単位取得ができません。
■ 単位の認定方法及び割合
授業内提出物:50% 授業内試験:10% 授業内活動:40%
■ 実習
1. ガイダンスと導入 授業の進めかた・受講上の諸注意・報告書の作成方法・文献の調べ方・心理学実験に取り組む態度と倫理
2. 初歩的な実験計画法 独立変数と従属変数・一要因配置実験・二要因配置実験と交互作用
3. 判断における係留効果 係留効果(anchor effect)を例とした主観的判断量
4. 恒常法による触2点閾の測定(前半) 恒常法による触2点閾のより厳密な測定,刺激作成と実験準備と実施
5. 恒常法による触2点閾の測定(後半) 信号検出理論(Signal detection theory)を用いた実験データの解析
6. 要求水準(前半) 遊戯ゲームを用いた要求水準・満足度とゲーム成績の関連性
7. 要求水準(後半) 実験による遂行行動におけるPDS(Plan-Do-See)過程の解析
8. 系列位置学習(前半) 無意味語を用いた系列記銘学習
9. 系列位置学習(後半) 順序効果、初頭効果、終末効果の解析
10. 対連合学習(前半) 無意味語を用いた刺激項目と反応項目の統合学習実験
11. 対連合学習(後半) ヴィンセント法による学習曲線の作成と評価
12. 認知的葛藤(前半) カラー・ストループ・テストを用いたパーフォーマンスのへの干渉の測定
13. 認知的葛藤(後半) カラー・ストループ・テストのパフォーマンスからみられる認知的葛藤の検出
14. 一対比較法による好悪判断(前半) 比較対象の選定方法・刺激語提示の方法・実施方法・データの収集と整理
15. 一対比較法による好悪判断(後半) 一対比較法結果を基に好悪判断を尺度上に配置するためのデータ解析
上記の7題の実験テーマについて,2.~13.については,進捗状況により順番を変更することがあります。提出を求める実験報告書は、「判断における係留効果」「恒常法による触2点閾の測定」「 要求水準」「系列位置学習」「対連合学習」「認知的葛藤」「一対比較法による好悪判断」の7編となります。なおレポートは少なくとも6編以上の提出が無い場合は,認定心理士の単位認定基準により単位取得ができません。
■ 時間外学修
授業内で実施される実験について,実験報告書が時間内に完成しない場合は、次回の授業までに完成させておくこと。
上記の実験テーマについて,2.~13.については,進捗状況により順番を変更する場合がある。前の週までに実験内容を指示するので、予め手引き書や教科書を読んで準備をしておくことが望ましい。また授業時間内にレポート作成が終わらない場合は、時間外にラーニングコモンズや実験室を利用して作成すること。また、実権を欠席した場合は、原則として空き時間等を利用して補実験を行うこと。
■ 課題に対するフィードバック
提出された課題や実験報告書等については授業内で講評を行なう。目的・方法・結果・考察が整った報告書の作成を求めるが,必要に応じて添削結果をもとに再提出を求める場合がある。レポートの書き方については,授業内で指導する。
■ 使用テキスト・教材
1)心理学実験指導研究会編 実験とテスト=心理学の基礎 実習編 培風館 ISBN:978-4-5630-5545-5
2)B.Findlay著(細江達郎・細越久美子 訳) 心理学実験・研究レポートの書き方 第三版 北大路書房 ISBN:978-4-7628-2046-5
■ 参考文献等
1)心理学実験指導研究会 実験とテスト=心理学の基礎 解説編 培風館 ISBN:978-4-5630-5546-2
2)日本心理学会認定心理士資格認定委員会(編集) 認定心理士資格準拠 実験・実習で学ぶ心理学の基礎 金子書房 ISBN: 978-4-7608-3031-2
授業内で実施する実験に関する参考文献や先行研究の論文を授業内で適宜配布する。
■ 備考
・心理学基礎実験を履修しておくことが望ましい。
・授業中は必ず実験用白衣を着用すること。
・実験にあたっては集計用紙・グラフ用紙を持参すること。
・平方根の計算ができる電卓(統計機能のある関数電卓が望ましい)を持参すること。
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