シラバス

人間関係論

開講年次：1年次

卒業：必修

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

大江篤志、黒沢晶子、南條正人

■ 科目のねらい
専門教育科目の「中心科目」として配置されている本科目は、学科の柱となる「人間関係」をテーマに、豊かな人間関係を構築し地域の課題解決に貢献できる人材に必要な、確かな専門的知識・技術を身につけることを目的としている。（DPに対応する中項目：③④＋⑥）

■ 授業の概要
専門教育科目の導入的役割を担う科目として、人間関係を学ぶ3つの分野、すなわち、多様な言語・文化とコミュニケーション、心理学と人間理解、福祉と社会という観点から述べていく。言語・文化理解をベースにした人間関係論では、意思疎通や説得、対立などに関して異文化論的知見を得るとともに、チームとして一つの仕事に取り組む際、何が重要なのかを考える。心理学による人間理解を主とした人間関係論では、人間の社会的行動に見られる心理と円滑な人間関係の構築に必要なものとは何かを学ぶ。福祉と社会を主とする人間関係論では、多様化する地域の課題の把握方法と人々が「共に生きる」ことをどう実現するのかについて学ぶ。

■ 達成目標・到達目標
①3つの分野、それぞれの観点について理解し、人間関係を学ぶ基本的知識について説明できる。
②3つの分野の観点のつながりを考え、人間関係に関する分野横断的な課題を見つけ出し説明できる。
③ゼミ選択の基盤となる自己の研究テーマを考え、概要を説明できる。

■ 単位認定の要件
上記の①～③を総合して、60%以上達成すること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート：40％　授業内提出物：60％

■ 授業計画

第1回イントロダクション

多様な言語・文化とコミュニケーション、心理学と人間理解、福祉と社会をベースにした科目「人間関係論」の目的、概要を説明する。（南條）

第2回自己とその形成

心理学における自己・自我について学ぶとともに、他者と関わりながら変容を続ける自己の様相について学ぶ。（大江）

第3回パーソナリティ

個人を構成する性格、個性といった諸側面の存在、およびその諸側面の多様性について学ぶ。（大江）

第4回対人関係

1対1の対人関係における心理的特徴（認知、行動）について学ぶ。（大江）

第5回グループダイナミズム

複数名による集団形成、および集団において固有に発生する状況・現象について学ぶ。（大江）

第6回人間関係における健康と障害

健全な人間関係の構築・維持、および人間関係において発生する問題・障害について学ぶ。（大江）

第7回コミュニケーション・スタイル

よいコミュニケーションとはどんなものかが低コンテクスト・スタイルと高コンテクスト・スタイルとで異なることを理解する。（黒沢）

第8回説得力があるのはどんな話し方か

文化と結びついた説得の方法にはどのようなものがあり、私たちの話し方はどう受け取られるのかを知る。（黒沢）

第9回人を動かすのは何か

人を引っ張るのは何か、人間関係を円滑にするにはどうしたらよいか、さまざまな人々と仕事をしてきた人の考え方に耳を傾ける。（黒沢）

第10回何か決めるとき、どのように決めるか

誰かが決めるか、皆で決めるか。どちらが私たちにとって、より普通か。（黒沢）

第11回考えが異なるとき、どうするか

対立するか、対立を避けるか。それが文化によって異なることを学ぶ。（黒沢）

第12回高齢者の人間関係

在宅高齢者の社会参加、地域との関わり、家族・友人との関わりについて概観し、在宅高齢者に対するソーシャルサポートのあり方を理解する。（南條）

第13回障がい児（者）の人間関係

在宅障がい児（者）の社会参加、地域との関わり、家族・友人との関わりについて概観し、在宅障がい児（者）に対するソーシャルサポートのあり方を理解する。（南條）

第14回対人援助における人間関係

対人援助における人間関係について理解する。（南條）

第15回まとめ

多様な言語・文化とコミュニケーション、心理学と人間理解、福祉と社会をベースにした人間関係を整理する。（南條）

■ 時間外学修
毎回の授業に関係する参考文献等の予習復習（各3時間）。3つの分野の各セクションで出される課題の作成（各5時間）。
ゼミ選択のための研究テーマ調べ（10時間）、及びそのためのゼミ担当者への相談（5時間）。

■ 課題に対するフィードバック

■ 使用テキスト・教材

■ 参考文献等
エリン・メイヤー著, 田岡恵他訳（2015）『異文化理解力－相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』英治出版

■ 備考

2021年度 シラバス 人間科学部 人間関係学科

2021年度　シラバス　　人間科学部　人間関係学科