シラバス

人間と宇宙を考える

開講年次：1年次

卒業：選択

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

大　野　　　寛

■ 科目のねらい
この科目は、社会の出来事に幅広く関心を持ち、理解するための知識・技能の修得を目指して、基礎教育科目の「基礎教養」に区分されており、選択科目として配置している（DP中項目⑧、⑨）。

■ 授業の概要
　宇宙を科学的に理解することは、生命観・自然観・人生観を考える上で大切であると考え、この授業では現代天文学が明らかにしてきた宇宙について学習します。
　前半は、光学望遠鏡の仕組み等、宇宙を理解したり星空を観るために必要な知識や技術を学習します。後半の内容は、宇宙物理学が主になります。はじめに恒星について学び、銀河や宇宙全体へとスケールアップしていきます。
　また、小学校教員を目指す学生向けの内容も含める他、実際の星空を観望し宇宙を感じてもらいたいと思います。

■ 達成目標・到達目標
①天体の日周運動・年周運動を通して人々がどのように宇宙を理解してきたか説明できる。
②光学観測の基本的な仕組みを説明することができる。
③星・銀河がどのような天体か説明できる。

■ 単位認定の要件
①～③について６０%以上の理解。

■ 単位の認定方法及び割合
授業内試験：90％　授業内活動：10％

■ 授業計画

第1回イントロダクション

現代天文学がどのように宇宙を考えているのかを概説し、この授業で扱う内容を説明します。
　また、使うであろう数学の確認をします（三角関数、微積分等）。

第2回月について

満ち欠けの説明からはじめて、重力を介した地球と月の力学的関係について解説します。

第3回星空について１

日周運動・年周運動を中心に天体の運行について解説します。あわせて星空を観るときに用いる用語や星座についても話題にします。

第4回星空について２

天球上の座標について解説した後、星座早見盤の仕組みを理解します。これにより日周運動・年周運動について理解を深めます。

第5回宇宙観の変遷

人々がどのように宇宙を見て考えてきたか、特に地動説に至るまでの歴史を解説します。
その中で、ケプラーの法則と万有引力の法則について理解をしていきたいと思います。

第6回光の性質１

レンズの働きからはじめて光学望遠鏡の仕組みを幾何光学にもとづてい解説します。

第7回光の性質２

光の色から話をひろげ、電磁波について解説します。

第8回課題１

ここまでの内容についての理解を確認するために授業内で課題を行う予定です。

第9回星について

自ら光を発する恒星について解説します。特に、どのようにエネルギーを賄っているか考えていき、核融合反応について説明します。

第10回星の一生

宇宙のどのようなところで星が誕生し、主系列の段階を経た後、どのように進化するか解説します。

第11回ブラックホール

重力の性質について解説した上で、ブラックホールと呼ばれる天体について考えていきます。また、最近のブラックホール観測の話題を解説します。

第12回銀河

銀河について、特にその形状と運動の関係を考えていきます。そこからダークマター導入の経緯を解説します。

第13回宇宙の性質

宇宙の持つ性質、特に宇宙膨張について、解説します。何をどのように観測した結果、宇宙膨張という考えに至ったのか説明していきます。

第14回宇宙の誕生と進化

宇宙が生まれてからどのように天体が形成されてきたかについて解説します。

第15回課題２

宇宙像の科学的理解を確認するための授業内課題

■ 時間外学修
わからない用語や考え方がたくさん出てくると思うのでまずは自分で調べてみましょう。

■ 課題に対するフィードバック
授業内で対応したいと思います。

■ 使用テキスト・教材
プリントを配布します。

■ 参考文献等
「星空案内人になろう」（技術評論社）

■ 備考
授業時間の後半を利用して天体望遠鏡等を利用した観望を行いますが、授業時期によっては日没を待つため時間外になる場合もあります。また、機器の都合で履修人数に上限（２０名）を設けます。人数が多い場合は開講コマを増やして対応しますが、同一セメスターにはならない可能性があります。

2021年度 シラバス 人間科学部 子ども教育学科

2021年度　シラバス　　人間科学部　子ども教育学科