シラバス

児童文化論

開講年次：3年次

卒業：選択

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

川　越　ゆ　り

■ 科目のねらい
この科目は、教育・保育の現場で実践するために必要となる基礎的な知識・技能の修得を目指して、専門教育科目の「保育・教育の理解」に区分されており、保育士資格取得の選択科目として配置している。(ＤＰ中項目①④⑥)

■ 授業の概要
前半はさまざまな「子ども文化（チャイルドロア）」を取り上げ、時代や国の別を問わず、子どもの間で伝承される遊び文化について学び、その意義について考察する。後半はさまざまな児童文化財の特性や意義について検討し、理解を深める。また、簡単な小道具を用いた語りも実践する。

■ 達成目標・到達目標
①「児童文化」と「子ども文化」の違いについて理解し、子どもが体験する意義について意見を述べることができる。
②　児童文化財（絵本・昔話）のジャンルとしての特性を説明できる。
③　児童文化財を用いた簡単な語りを実践できる。

■ 単位認定の要件
期末レポートと授業内活動の総計で60点以上を取ること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート：80％　授業内活動：20％

■ 授業計画

第1回「児童文化」と「子ども文化」

ガイダンスを行う。また、この授業における「児童文化」と「子ども文化(チャイルドロア）」の定義について理解する。

第2回子どもと秘密基地

各自の秘密基地体験や日本、外国の事例を通して、子どもにとっての「第三の居場所」の意義について考える。

第3回子どもの世界構築：子ども道、こわい場所

各自の体験や事例を通して、独自の視点でマップ化する子どもの日常のありようについて考える。

第4回子どもとわらべうた

子ども間で伝承される現代のわらべうたの分析を通して、メディアと子どもの関わりや、「三間の減少」の実態について考える。

第5回子どものジンクス

各自の体験や日本とイギリスの子どものジンクス事例を通して、子どもの作るジンクスの共通性について考える。

第6回子どもと言葉遊び、替え歌

各自の体験言葉遊びや替え歌の事例から、遊びの手段としての言葉について考える。

第7回子ども文化の本質

これまでの授業を通して、子ども文化（チャイルドロア）の本質についての考察を行う。

第8回絵本（１）

各自の絵本体験を振り返り、子どもにとっての絵本、読み聞かせ体験の意義について考える。また、絵と言葉の総合芸術という観点から、絵本の絵と言葉との相互作用について理解し、絵を読むことを学ぶ。

第9回絵本（２）

各自で絵本を持参し、絵と言葉の観点から絵本のメッセージについて考察する。

第10回昔話（１）

昔話の語りの様式と子どもとの関わり、昔話を耳で聴くことの意義について学ぶ。

第11回昔話（２）

昔話を絵本にすることの問題点、再話や選書のありかたについて理解を深める。各自が選んだ昔話を持参し、語りの特徴やメッセージについて考察する。

第12回「行きて帰りし型」と子ども（１）

絵本や幼年童話、児童文学に多くみられるストーリーパターン、「行きて帰りし型」が子どもとの関わりについて検討する。

第13回「行きて帰りし型」と子ども（２）

子どもの作ったお話から、幼い子どもにとってのフィクションの意義について考察する。

第14回さまざまな児童文化財（１）

エプロンシアターやペープサート、紙皿シアターなどの児童文化材について学ぶ。

第15回さまざまな児童文化財（２）

エプロンシアターや手袋シアターなど小道具を使った語りを体験する。

■ 時間外学修
・毎回授業後にノートを見直す（30分×15）
・期末レポート（5時間）
・小道具を用いた語りの準備と練習（2.5時間）

■ 課題に対するフィードバック
・毎回授業の最後に提出するコメント表や、発表については振り返りの時間を設け、全体または個別のフィードバックを行う。

■ 使用テキスト・教材
随時資料を配布します。

■ 参考文献等
仙田満『子どもとあそび―建築家の眼―』岩波新書
寺本潔『子ども世界の地図　秘密基地・子ども道・お化け屋敷の織りなす空間』黎明書房
Iona and Peter Opie, The Lore and Language of School Children, nyrb.
松岡享子『子どもと本』岩波新書
中川素子ほか『絵本の視覚表現―そのひろがりとはたらき』日本エディタースクール出版部

■ 備考

2021年度 シラバス 人間科学部 子ども教育学科

2021年度　シラバス　　人間科学部　子ども教育学科