シラバス

民俗と歴史

開講年次：1・2年次

卒業：選択

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

菊　地　和　博（実務経験あり）

■ 科目のねらい
「基礎教養科目」として配置されている本科目は、地域社会や職場で豊かな人間関係を築くために必要な幅広い教養の修得をめざし、自己を取り巻く世界や環境を知り、多角的視点からものを考える力をつけることを目的とするものである。（DPに対応する中項目：①＋③⑥）

■ 授業の概要
民俗とは、祭礼行事・芸能・信仰・生活用具・民話など一般庶民の生活文化・伝承文化をさす。暮らしの中で代々伝承されてきたそれら有形と無形の民俗資料や事象を調査研究の対象とし、そこに見出される人々の心意や精神性などを明らかにしようとするのが民俗学である。本科目では民俗学を伝承史学ととらえ、民俗資料や事象を考察するにあたっては常に地域の歩みや暮らしの変遷と重ね合わせて理解していく。民俗と歴史を一体的に学ぶことを通して「人間」を総体的に把握しようとするものであり、授業では主に山形県内の民俗事例を考察の対象とする。
　授業担当者は、高校社会科教諭としての経験を活かして授業を展開していく。

■ 達成目標・到達目標
①民俗という生活文化・伝承文化の概要を理解し、説明することができる。
②代々受け継がれてきた民俗資料や民俗事象の伝承性を地域の歩みや暮らしの変遷を踏まえて理解し、説明することができる。
③民俗的な行為や口承、つくり出されるモノなどの背景にある人々の心意や精神性を理解し、説明することができる。

■ 単位認定の要件
主として提出レポート等において、上記の3項目について60％に達成していることが認定要件である。

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート：60％　授業内提出物：10％　授業内活動：30％

■ 授業計画

第1回ガイダンス（総論）

民俗および歴史とはなにかを概論的に学び授業内容の全体像を理解する。

第2回年中行事と地域の歩み①

地域生活や家庭のなかで毎年ささやかに行われる民俗行事の事例を地域の歩みや暮らしの変遷と共に学ぶ。

第3回年中行事と地域の歩み②

同　上

第4回年中行事と地域の歴史③

同　上

第5回庶民信仰と地域の歩み①

敬いと畏れの心をもってひたすら念ずる行為とその対象の実際を地域の歩みや暮らしの変遷と共に学ぶ。

第6回庶民信仰と地域の歩み②

同　上

第7回庶民信仰と地域の歩み③

同　上

第8回民間習俗・民話と地域の歩み①

日常生活におけるの習わしや民話などの口承文化の事例を地域の歩みや暮らしの変遷と共に学ぶ。

第9回民間習俗・民話と地域の歴史②

　同　上

第10回民俗芸能と地域の歩み①

カミやホトケ等に対して、祈りや願いの心をもって踊りや舞いを演ずる事例を地域の歩みや暮らしの変遷と共に学ぶ。

第11回民俗芸能と地域の歩み②

同　上

第12回民俗芸能と地域の歩み③

同　上

第13回伝承技術と地域の歩み①

庶民の知恵が生み出す手わざの巧みさやモノの利便性、美しさなどの事例を地域の歩みや暮らしの変遷と共に学ぶ。

第14回伝承技術と地域の歩み②

同　上

第15回総括

全体の学修内容を振り返って再確認しながら各要点をまとめる。

■ 時間外学修
必ず授業内で、前回の授業内容についての感想を記述しなければならないので、授業後には学修の振り返りと再確認が必要である。当然ながら授業前にノートを整理しテキストに目を通して臨まなければならない。

■ 課題に対するフィードバック
授業内で感想用紙を返却し、その用紙にコメントまたは口頭説明をしてフィードバックを行う。

■ 使用テキスト・教材
菊地和博『やまがた民俗文化伝承誌』（東北出版企画　2009年）の必要箇所を印刷して配布する。

■ 参考文献等
『図解案内　日本の民俗』（福田アジオ　内山大介　小林光一郎　鈴木英恵　萩谷良太　吉村　風　編）　吉川弘文館　2012年

■ 備考

2022年度 シラバス 人間科学部 人間関係学科

2022年度　シラバス　　人間科学部　人間関係学科