シラバス

国語Ⅰ（書写を含む）

開講年次：1年次

卒業：必修　　保育士：必修　　小学校教：必修

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

柳谷豊彦(実務経験あり)、川越ゆり、工藤貞義(実務経験あり)

■ 科目のねらい
ディプロマ・ポリシーに示す「乳幼児期から学童期までを中心とした子どもの理解」に不可欠であり、かつ教育・保育の基盤となる言語に関する実践的な指導力を身に付けるために、言語と教育・保育の密接な関連を通時的かつ多面的に扱い、基本的な知識・技能及び実践力を修得することをねらいとする（ＤＰ中項目①②⑧）。

■ 授業の概要
○言語学習の起点「言語の機能と必要性」について認識と実践力を深める。
○保育所保育指針や幼稚園教育要領の言葉領域の理解を深め、小学校国語指導との接続の要点を学ぶ。
○そのため、絵本・童話・物語教材、音声言語教材、言語文化に関する教材、説明文教材などを扱い、各教材の特性を活かした　授業づくりの土台となる基礎的な知識・技能（発問、学習課題づくりなど）を修得する。
○その場合、教育センター等の指導主事として小学校教員対象の国語講座等を担当した実務経験（柳谷）で得られた知見を盛り　込む。また、書写の担当者（工藤）は、高校教諭（書道・国語担当）の実務経験を有している。
○授業形態は、講義と演習・実習（硬筆・毛筆書写を含む）の組合せを基本とし、発表とグループ討議を重視する。
　　

■ 達成目標・到達目標
①保育所・幼稚園での「言葉」の領域を理解し、小学校教育とのつながりについて説明できる。
②物語、詩歌、言語文化、説明文の特徴を理解し、教材を扱う目的や指導上の留意点をまとめたレポートを作成できる。
③特に物語教材及び説明文教材について、学習材研究の方法を理解し、簡略な程度の授業構想案を作成できる。
④デジタル時代における文字や書写の重要性を理解・実践し、成果物（作品）を制作できる。

■ 単位認定の要件
①～④の合計で60％（６０点）以上達成すること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート：30％　期末試験：25％　授業内提出物：20％　授業内試験：20％　授業内活動：5％

■ 授業計画

第1回ガイダンス〔柳谷〕

授業計画の全体を理解する。言語の機能、「国語／日本語」や「母語／母国語」について考える。

第2回書写①〔工藤〕

書写（硬筆指導）について学ぶ。

第3回書写②〔工藤〕

書写（毛筆指導）について学ぶ。
≪授業内提出物≫

第4回乳・幼児と「言葉」〔川越〕

乳・幼児の発達段階と「言葉」領域の内容を学ぶ。

第5回絵本と童話の効果〔川越〕

絵本や童話が乳・幼児の言葉や思考の発達に果たす役割を学ぶ。
≪授業内試験≫

第6回学習指導要領と小学校国語〔柳谷〕

学習指導要領のねらいと小学校国語の概要を理解する。幼児・児童における思考と言語の発達特性を理解する。

第7回物語教材と事例研究Ⅰ〔柳谷〕

「スイミー」（低学年）を例に、童話（物語）の特性を理解し、教材として扱うときの留意点を実践的に考える。

第8回物語教材と事例研究Ⅱ〔柳谷〕

「スイミー」と「おおきな　かぶ」（低学年）を題材としながら、「国語」と「特別の教科　道徳」における教材研究の視点・方法の違いを考える。

第9回物語教材と事例研究Ⅲ〔柳谷〕

選択した題材の教材研究及び予想される児童の感想や質問・疑問を踏まえ、授業の構想案（発問や課題、指導上の留意点）を作成する。
≪中間レポート≫「かさこじぞう」（低学年）「ごんぎつね」（中学年）「大造じいさんとガン」（高学年）から選択する。

第10回詩歌教材と事例研究〔柳谷〕

詩の教材研究法を理解し、「春のうた」（中学年）を例に授業化のための要点（言葉と意味、比喩、音読、発問や課題）を学ぶ。

第11回言語文化教材と事例研究〔柳谷〕

言語文化の題材を用いて授業の構想案（言語素材の活かし方、音読、発問や課題）をグループで作成する。

第12回音声言語の指導法〔柳谷〕

中間レポート・フィードバック。音読・朗読、スピーチの基本、話合い・討議の諸形式など、音声言語（話しことば）による学習活動を進めるときの工夫やポイントについて学ぶ。

第13回説明文教材と事例研究Ⅰ〔柳谷〕

説明文の特徴（題材、構成、論理性・接続など）について理解し、教材として扱うときの留意点を学ぶ。

第14回説明文教材と事例研究Ⅱ〔柳谷〕

「はたらくじどう車」（低学年）「ヤドカリとイソギンチャク」（中学年）の教材研究を行い、授業構想案・学習指導案を作成する。
≪期末小テスト≫

第15回ふりかえりと自己評価〔柳谷〕

期末小テスト・フィードバック。「国語Ⅰ」をふりかえり、成果を含め自らの学修を評価する。

■ 時間外学修
事前：「講義ノート」や指示（次時の予告）に基づいて、予習と準備（授業構想案メモ・下書きなど）を行う。
事後：授業を整理（実技の反復、授業構想案の修正など）し、図書館等で参考文献や新聞（教育、保育、社会）に目を通す。【３０時間】

■ 課題に対するフィードバック
○授業構想案（レポート）等の成果物に係る「参考例」及び添削例を提示・配付する。
○授業内活動（グループ活動、全体プレゼンテーション）に適時にコメントを付して共有の場をもつ。

■ 使用テキスト・教材
○「講義ノート・素材集」（初回及び随時配付）Ａ４判用ファイル（２穴）を準備すること、国語辞典
○「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」
○書写（硬筆・毛筆）用具

■ 参考文献等
○『小学校学習指導要領解説　国語』(東洋館出版社)　
○国立教育政策研究所『小学校国語　「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』（東洋館出版社）
○二瓶弘行・青木伸生編著『小学校国語　物語文の発問大全』（明治図書）
○大学図書館に配架されている「新聞」（２Ｆ）や関係図書に積極的に触れ、活用する。

■ 備考
○川越：授業内試験（第３回）　
○工藤：授業内提出物（第５回）　
○柳谷：授業内提出物（中間レポート）、期末試験（期末小テスト／第１４回）

2022年度 シラバス 人間科学部 子ども教育学科

2022年度　シラバス　　人間科学部　子ども教育学科