自然科学基礎(理科)
開講年次:1年次
卒業:選択
開講時期:前期 授業形態:演習 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:1 単位
阿 部 均(実務経験あり)
■ 科目のねらい
高校までの学習から大学での学修へ円滑に移行できるように、理科分野の基礎学力に不安がある学生を対象に対し、学修支援を行うことをねらいとする。(DPに対応する中項目:⑧⑨)
■ 授業の概要
自然科学の基礎分野について、普段の生活の中で体験したり見聞する科学的事象を提示し、そこに流れている科学の
法則や科学の普遍性を意識させながら講義を行っていく。
高校教諭であった経験から、多くの学生が興味を示し不思議と思えるテーマに焦点を当て、本質に向かって探求して
いく面白さを体得させ、我々の生活とどう関わっているかを考えさせながら解説していく。
また、自然科学の基本的な原理を通して、それがどのように進歩発展してきたかに気づかせ、自然科学の面白さや奥深
さに触れ科学への興味関心を醸成させる。さらに、教諭時代にも取り上げて授業が活発化した経験から、メディアに取
り上げられる科学情報を正しく読み解く力を養うため、グループワークで学生相互の発表や意見交換をおこなう。
■ 達成目標・到達目標
①自然科学の用語や法則を理解し、それらを使っていくつかの科学的事象を説明できるようになる。
②講義で配布する資料(テキスト)を正しく理解し、テキスト内の空欄に適する語を記入したり、計算問題を解き数的に
処理できるようになる。
③自分の中で説明が出来なく不思議と思われた科学的な事象のいくつかについて、論理的・客観的に説明できるようになる。
④講義の途中で配布する3回の「学修課題」(レポートを含む)は、期日内までに提出できる。
⑤各分野(物・化・生。地)の終了後に行う「分野別理解度試験」で60点以上得点する。
⑥講義で行う演習問題の半分以上を、自分の力で解くことができる。
■ 単位認定の要件
①~③の項目:自分の考えを論理的・客観的に説明できること。
④~⑥の項目:60点以上得点すること。
■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート:30% 授業内提出物:10% 授業内試験:40% 授業内活動:20%
■ 授業計画
- 第1回 ガイダンス及び化学変化と原子・分子
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学修計画全体を理解する。
「学修診断」の解説を通して、各自の現時点における「理科の理解度」の到達状況と苦手分野を把握する。
化学変化の基礎的事項の理解と身近な原子や分子について理解を深める。
- 第2回 化学基礎編「水溶液の性質」
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水溶液の性質を学びながら物質の状態変化・溶解度・質量パーセント濃度を理解し、グラフの正しい読み方や計算ができるようにする。グループワークを行い濃度を含めた割合について理解を深める。
【学修課題1の配布】・・・・・いろいろな水溶液の濃度計算
- 第3回 化学基礎編「質量保存の法則」
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身の回りに存在する代表的な気体について、性質・特徴とともにその利用法や発生のさせ方を学ぶ。
また、いろいろな化学変化と物質の質量変化について考え、「質量保存の法則」が成立することを実感させる。
- 第4回 化学基礎編「酸・アルカリ・イオン」
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原子番号1~20を確実に覚え、原子モデルを正確に図示できるようにする。また酸・アルカリとイオンについて身近な物質・材料を提示し、酸・アルカリの定義や特徴を正しく理解する。
【化学分野理解度試験・フィードバック】
- 第5回 物理基礎編「力とは何か」
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力の合成・分解や作用・反作用を通して、「力」とは何かについて学ぶ。またグループワークで力の合成・分解を全員が正しく作図でき、言葉としての「力」と物理で使う「力」の相違点と共通点を理解する。
仕事と仕事率の学びを深め、「仕事の原理」について考えさせる。
- 第6回 物理基礎編「物体の運動」
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等速直線運動で速さ・移動距離・時間の関係を正しく理解し、その運動をグラフ化したり、逆にグラフから運動の様子をイメージできるようにする。
自由落下運動を通して加速度運動について理解を深め、等加速度運動と等速度運動の違い正しく理解する。
等加速度運動の公式を正しく理解し、その公式を使っていろいろな問題を解けるようになる。
【学修課題2の配布】・・・・・・力・仕事・速度と移動距離を中心とした計算
- 第7回 物理基礎編「電流と電圧」
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中学で学習した「オームの法則」を復習し、直列・並列回路の特徴について理解を深める。
電気のエネルギーや電気の仕事量について、身近な電気製品を通して理解を深める。
- 第8回 物理基礎編「電流のはたらきと磁界、電磁誘導」
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電流・磁界・電力・電磁誘導と日常生活との関わりについて学ぶ。グループワークを通して理解不足を解消し、電気が身近なものと感じられるようになる。
【物理分野理解度試験・フィードバック】
- 第9回 生物基礎編「減数分裂と生殖・発生」
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生命の基本単位である「細胞」について、細胞小器官の名称とその働きについて学習を深める。
体細胞分裂と減数分裂の違いを図示できるようになり、生命の連続性について考える。さらにその後に続く生殖・発生のしくみを遺伝子と関連させながら学ぶ。
- 第10回 生物基礎編「遺伝の法則」
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メンデル遺伝の法則を学び、減数分裂時における染色体の動きを理解する。特に関心の強い「性の決定」・「血液型の遺伝」を学び、身近な遺伝現象を学びながら理解を深める。
グループワークでいろいろな人の考え方を知り、正しい答えを導く過程を学ぶ。
【学修課題3の配布】・・・・いろいろな遺伝からF1,F2を予測する
- 第11回 生物基礎編「DNAの構造と複製、連鎖と組換え」
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染色体と遺伝子の関係を「連鎖と組換え」を考えながら学ぶ。また遺伝子の本体が「DNA」と分かった経緯を説明しながら、「DNA」の構造とその特殊性及びDNAの複製について正しく理解する。
- 第12回 生物基礎編「遺伝子1:遺伝情報と遺伝子の発現」
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タンパク質合成と酵素の働きを学び、遺伝子の形質発現を通して遺伝子の働きをについて理解する。
新型コロナウィルスを通して遺伝子突然変異やPCR検査、抗原抗体反応を正しく理解する。
【生物分野理解度試験・フィードバック】
- 第13回 生物基礎編「遺伝子2:遺伝子研究の成果と人間生活」
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近年の遺伝子に関する研究を紹介し、遺伝子組換え・遺伝子治療・DNA鑑定などについて、正しく説明できるようになる。また、iPS細胞とES細胞の共通点と相違点について正しく理解を深める。更に、動画「最新の遺伝子研究」を見て、遺伝子研究の一端に触れる。
- 第14回 地学基礎編「火山と地震」
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地球の構造を学びながら、地震が起こるメカニズムを理解し、地震の伝わり方について学習する。また地震計の記録から震源地や地震到達予想時刻を正しく計算できる力を養う。
- 第15回 地学基礎編「星や月の動き」
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地球と月・惑星・恒星の運動を中心にして、身近な天体について学習を深める。
【地学分野理解度試験・フィードバック】
■ 時間外学修
学修課題(1~3)の解決に向けて調べ学習を行い、講義内容の定着に努めること。そのために図書館やインターネットなどを活用して資料収集を行いながら、各自の理解できていない事柄を明確にしてノートにまとめておく。(6時間)
各分野終了時に行う「分野別理解度試験」に向けてノート整理と不明箇所の解決に向けた調べ学習をする。(4時間)
前講義の授業テキストを復習して、理解した箇所とまだ理解が足りない箇所をノートにまとめる。(5時間)
■ 課題に対するフィードバック
提出された課題は添削を行い返却します。その際、多くの学生に見られる共通した間違いを是正しフォローアップを行う。また及第点に達していない学生に対しては個別指導を行う。
分野別理解度試験の結果はその時間内に添削と解説を行い、及第点に達していない学生には個別指導を行い追試験で到達度を確認する。
■ 使用テキスト・教材
必要なテキスト、資料は授業内で配布する。
■ 参考文献等
特になし
首相官邸「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/
■ 備考
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