社会Ⅱ
開講年次:3年次
卒業:選択 小学校教:選択
開講時期:後期 授業形態:講義 授業回数:15 回 時間数:30 時間 単位:2 単位
山 川 明 宏(実務経験あり)
■ 科目のねらい
この科目は、教育・保育の現場で実践するために必要となる基礎的な知識・技能の修得を目指して、専門教育科目の「教
科及び指導法(小学校系)」に区分されており、小学校教諭一種免許状の取得推奨科目として配置している。(DPに対応す
る中項目:②⑧⑨)
■ 授業の概要
中学校社会科教諭としての授業実践の経験を活かして、社会科教育の「基礎・基本」にかかわる知識や技能の習得、教材・学習材研究の進め方等を扱う。特に、小学校高学年の学習に必要な歴史的分野を中心に、地理・公民的分野にも触れながらその習得をめざす。
具体的な学習内容は、日本の歴史を中心に山形県に現存する史跡などにも触れながら、時代の変遷の過程やその特色、歴史上の人物等について、通史的に学習を深めていく。また、各時間ごと教材作成等の活動を入れながら、授業づくりの視点も学ぶことができるように工夫していく。
■ 達成目標・到達目標
①日本の歴史に関わるそれぞれの時代の出来事や事件のあらまし、活躍した人物などに焦点を当てながら、基礎・基本的な知識・技能を習得し、それぞれの時代の特色を説明することができる。
②歴史上の人物や事件・文化についての絵画や写真、映像資料等の選択や作成を通して、教材作成等の基本について学び、授業づくりに関わる実践的な能力を養うことができる。
③地域に根ざした教材開発を進めるために、山形市近辺の地域調査等を行い、歴史に関連させながらパワーポイントやレポートにまとめることができる。
■ 単位認定の要件
①~③の項目のすべてについて、60%以上の点数を獲得すること。
■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート:20% 授業内提出物:40% 授業内試験:10% 授業内活動:30%
■ 授業計画
- 第1回 『ガイダンス』『サルからヒトへ、そして縄文・弥生』
-
「何が人類の進化を促したのか」「日本人はどこからやってきたのか」「矢じりの大きさが意味するもの」などを課題に、先土器時代の日本や山形の祖先たちの生活を調べ考える。また、山形の遺跡などをもとに縄文時代と弥生時代の比較について話し合いまとめる。
- 第2回 『律令国家の形成と貴族の政治』
-
「聖徳太子がめざした政治とは」「遣唐使は何を日本にもたらしたのか」「桓武天皇が平安京に都を移した理由」などを課題に、大宝律令の内容や班田収授の法、摂関政治の様子や武士の登場等について学習するとともに、飛鳥・天平・国風文化について調べを進める。
- 第3回 『武家政権の誕生と鎌倉仏教』
-
「頼朝がめざした政治とは」「日本がモンゴルの襲来に勝てたのはなぜか」などを課題に、御恩と奉公、執権政治、元寇のあらまし、悪党の登場などについて学習する。また、東大寺南大門や金剛力士像、浄土宗や禅宗などの鎌倉仏教など鎌倉の文化についてまとめる。
- 第4回 『義満の政治と産業の発達』
-
「足利義満が巨大な力を持てた理由」「北山・東山文化の特徴」などを課題に、守護大名や倭寇の活動、勘合貿易の様子、産業や商業の発達、北山文化と東山文化について学習を進める。
- 第5回 『戦国の動乱と天下一統』
-
「信長軍の強さの秘密」「秀吉の全国支配のねらい」などを課題に、戦国大名の登場や一揆の頻発、桶狭間や長篠の戦いのあらましについて学習を進めるとともに、狩野永徳、千利休、南蛮文化などの桃山文化についてまとめる。
- 第6回 『幕藩体制の完成と産業・交通の発達』
-
「徳川幕府はどのくらいの力を持っていたか」「徳川幕府の大名統制のねらい」などを課題に、徳川幕府の大名統制の実態や鎖国政策の内容について学習する。また、様々な町の発達や三都の発展、交通網の発達、元禄文化や化政文化についてまとめる。
- 第7回 『くずれゆく幕藩体制』
-
「なぜ百姓一揆が頻発するようになったのか」「尊皇攘夷運動が高まった理由」などを課題に、徳川吉宗、田沼意次、松平定信、水野忠邦等の改革者の登場とその内容について学ぶ。さらに、安政の大獄から薩長同盟、大政奉還、戊辰戦争、江戸幕府の滅亡までの過程をまとめる。
- 第8回 『明治維新と自由民権運動』
-
「明治政府はどんな国づくりをめざしたのか」「なぜ大久保と西郷の対立がうまれたのか」などを課題に、廃藩置県・学制・徴兵令・地租改正などの改革の様子、大久保利通や伊藤博文、木戸孝允と西郷隆盛や板垣退助の対立の原因などについて調べを進める。
- 第9回 『一等国への道』
-
「イギリスが日本と同盟を結んだわけ」「日露戦争がアジアに与えた影響」などを課題に、日清戦争・下関条約・三国干渉・条約改正・日英同盟・日露戦争・ポーツマス条約等について学習する。また、明治時代や大正時代の文化、大正デモクラシーの様子について調べまとめる。
- 第10回 『恐慌と世界大戦と日本』
-
「軍部が大きな力を持つようになった理由」「太平洋戦争の戦いの様子」などを課題に、日本が太平洋戦争に突き進んだ過程を、当時の日本の状況や国際関係などの面から捉えていく。また、真珠湾攻撃・ミッドウェー海戦・神風特攻隊・広島長崎への原子爆弾の投下等、実際の戦いの様子を当時の映像フィルムなどから学習しまとめていく。
- 第11回 『日本の占領と戦後の国際社会』
-
「GHQによる日本の占領のねらい」「日本が国際社会に果たした役割」などを課題に、財閥解体・農地改革・戦争の放棄等それぞれの改革の意味について学習を進める。また、東西冷戦や戦後の日本の復興の様子を捉えるとともに、今日の日本の置かれた状況についてまとめる。
- 第12回 わたしの教材開発Ⅰ(教材づくり)
-
授業を通して学んだことをもとにして、小学校の歴史授業に相応しい教材づくりを進める。
- 第14回 わたしの教材開発Ⅱ(発表と意見交換)
-
創り上げた教材を発表し、子どもの興味・関心を高めるものになっているか、教科や学年の目標・内容に合致するもになっているか、などについて互いに意見を交換し、よりよい教材づくりについて学び合う。
■ 時間外学修
授業で使用した学習資料等を熟読し、学習内容や疑問点等を整理して、他者に説明できるようにしておくこと(目安時間:6時間)。課題やレポート・発表のための資料検索並びにレポート等の執筆をする(目安時間:15時間)。授業で学んだことや更に調べたいことをノート等にまとめる(目安時間:各回2時間)
■ 課題に対するフィードバック
授業中に実施するレポートやプレゼンテーションについては、当日または後の授業回にて解説を行う。回収したレポートについては、返却時に簡単な添削並びに全体に対する講評を行う。
■ 使用テキスト・教材
学習指導要領解説<社会科>(文科省)
■ 参考文献等
なし
■ 備考
巡検では大学バスを利用する。
Copyright ©2013 TOHOKU BUNKYO COLLEGE. All rights reserved. |