シラバス

発達心理学

開講年次：1年次

卒業：選択　　保育士：必修　　幼稚園：必修

開講時期：前期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

花　屋　道　子

■ 科目のねらい
この科目は、専門科目の「保育の対象と理解」に配置された科目の一つである。多角的視野と総合的視野に裏付けされた思考と判断を持って保育が実践できる保育者を養成するための科目であり（CP）、保育・教育の本質を理解すること（DP）をねらいとしている。特に、乳幼児を中心に、発達に関する知識を身につけることがねらいである。
人間が生物的・心理的・社会的存在であるという視点から発達を考えることを通して，広い視野から人間という存在について洞察を得るとともに、子どもの心身の発達及び学習の過程について基礎的な知識を身につけ，各発達段階における心理的特性を踏まえた発達を支える活動の基礎となる考え方を理解することを目指す。（DPに対応する中項目：①）

■ 授業の概要
発達の仕組みや各発達段階の特長について，特に乳幼児期に重点を置きながらも，生涯発達的視点に立って基礎的事項を学習する。
この授業では，主要な学習内容について，以下の４つの段階を想定して授業を行う。
１）発達心理学の専門用語を具体的現象にあてはめながら理解できる
２）具体的現象を発達心理学の専門用語を用いて的確に解説できる
３）複数の発達心理学的概念を関連付けて多様な視点から発達を捉えることができる
４）人間の発達を総合的に考察できる

■ 達成目標・到達目標
①人間が生物的・心理的・社会的存在であるという視点から発達を考えることができる。
②人間の発達の特殊性や，発達初期における周囲の人間との相互作用が発達にとって重要であることを解説できる。
③一人の人間の発達過程を各発達期ごとに分断するのではなく，一生にわたる連続的過程として考えることができる。

■ 単位認定の要件
発達心理学の専門用語を理解して解説し，発達心理学的課題について，多様な視点から総合的に理解して考察を展開することに関して，これを６割がた正しく行えること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末試験：80％　授業内提出物：20％

■ 授業計画

第1回人間の発達を考える視点１

授業の進め方に関するガイダンス，発達心理学の意義と方法，成長と発達を捉える視点に関わる，生涯発達を見据えた代表的理論を学ぶ。

第2回人間の発達を考える視点２

発達心理学の代表的理論を踏まえ，自我の発達と心理社会的課題について理解する。

第3回人間の発達を考える視点３

発達における遺伝と環境の要因，およびその相互作用について理解する。

第4回乳児期１

新生児・乳児の発達の特性及び能力について，先行研究の示すデータをもとに理解する。

第5回乳児期２

アタッチメントと母子関係について学ぶとともに，乳幼児の発達的つまずきとそのケアについて学ぶ。

第6回幼児期１

幼児期の発達の特性及び能力について，身体的能力・機能の発達の観点から展望する。また，この時期における養育者からの分離の持つ意味について考える。

第7回幼児期２

対人関係の発達及び遊びの発達について，その具体的な姿から展望する。また，幼児期の発達的つまずきとそのケアについて学ぶ。

第8回児童期１

学校期の始まりとなるこの時期の児童の認知機能の発達と，学習活動との関連性について学ぶ。

第9回児童期２

児童の社会性の発達の特性と，学校における人間関係や学習活動の関与について考えるとともに，発達的つまずきとそのケアについて学ぶ。

第10回青年期１

青年期の発達課題であるアイデンティティの模索と確立，及び，時間的展望にみられる青年期の特徴について学ぶ。

第11回青年期２

社会に出るための準備期としての青年期の課題と，そこでみられるつまずきとそのケアについて学ぶ。

第12回成人期

青年期の先に展望される，職業選択と就労，配偶者選択，親としての成長等の新たな発達課題
について考える。

第13回中年期

中年期危機，家族関係の変化など，子どもの親世代が直面する発達課題を理解する。

第14回老年期

人生の集大成としての老年期の心と身体の問題，及び，老年期の家族関係・社会関係について学ぶ。

第15回人生を展望する

生涯発達の視点，及び，ライフサイクルを総合的に見据える人間発達の視点について確認する。

第16回期末試験

重要用語の説明及び総合的理解を問う設問からなる試験を実施し、理解度を確認する。

■ 時間外学修
次回取り上げる内容について，教科書の該当箇所を事前に確認し，初出の用語を辞典などで調べる。（目安時間:各回約２時間）
授業後はノートや資料を復習して理解を確実にする。授業の中で初めて出会った内容について，自分でも辞典などで調べて再度確認する。（目安時間：各回約２時間）

■ 課題に対するフィードバック
授業内提出物についてはその後の授業時間の中で取り上げるなどして，全体に向けたフィードバックを行う。

■ 使用テキスト・教材
岡本祐子・深瀬裕子（編著）『シリーズ生涯発達心理学①　エピソードでつかむ　生涯発達心理学』（ミネルヴァ書房）2013.
その他，必要に応じて授業の中で資料を配布する。

■ 参考文献等
適宜，授業内で紹介する。

■ 備考
授業の進捗状況により，内容の伸縮等変更がなされることがある。

2021年度 シラバス 短期大学部 子ども学科

2021年度　シラバス　　短期大学部　子ども学科