シラバス

地域と多文化

開講年次：1年次

卒業：選必　　介護福祉：選必

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

齋　藤　由美子

■ 科目のねらい
　この科目は、現代福祉学科の３つのディプロマ・ポリシーを身につけることを目標に設置された、カリキュラム・ポリシー「福祉・介護の様々な考え方やいろいろな知識に触れ、援助者に必要な人権感覚と倫理的態度を養う」ための科目である。学生が学問の方法を身につけ、様々な文化や価値観を背景とする人々と相互に尊重し合いながら共生する社会の理解や、国際的な視野を養うことをねらいとしている。（DPに対応する中項目：②⑦）

■ 授業の概要
　現在、地域には自分とは異なる文化的背景を持つ人たちが多く住んでいます。
この授業では、講義やシミュレーション、DVD視聴、外国にルーツを持つ人へのインタビューを通し、私たちが共に暮らしていく時に起こりやすい問題や心の揺れを知り、どのようなかかわり方が望ましいのかを異文化コミュニケーションの視点で考え合います。まず異文化とコミュニケーションについて理解を深め、自らの価値観や認知の仕方をふりかえります。さらに日本や地域に暮らす海外にルーツを持つ人の状況や思いを知り、その困難さの要因を分析し共に暮らすために必要なことを考え議論し合うことで、望ましい関係性に必要な態度やスキル、考え方を身につけます。

■ 達成目標・到達目標
①異文化と接した時の問題や心の揺れを体感し、異文化コミュニケーションに必要な関係性の持ち方やあり方をディスカッションできる
②異文化や価値観の違いについて理解を深め、説明することができる
③話すこと、聞くことに意識的になり、実際に活動の中で活かすことができる
④異なる文化的背景をもつ人の思いや状況、背後にある文脈を理解し、他者にわかりやすく伝えることができる
⑤異文化コミュニケーションを意識して、他者と協働して活動することができる

■ 単位認定の要件
　上記5項目のいずれも60％以上達成すること

■ 単位の認定方法及び割合
期末試験：30％　授業内提出物：40％　授業内活動：30％

■ 授業計画

第1回講義ガイダンス

　これからの授業の概要をシミュレーションも交えて紹介します。

第2回異文化コミュニケーションって何？

　シミュレーションから異文化コミュニケーションとは何かを考えます。

第3回異文化とは何か

　第2回で実施したゲームをふりかえり、異文化と接した時の思いや行動を分析し、異文化コミュニケーションの実際を考えます。さらに文化とは、異文化とは何かを改めて考えます。

第4回共同作業としてのコミュニケーション

　話し手と聞き手が作り出す共同作業としてのコミュ二ケーションを考えます。さらに文化によるコミュ二ケーションスタイルの違いを知ります。

第5回非言語コミュニケーション

　コミュニケーションの大切な要素としての非言語コミュニケーションにおける文化の違いを考えます。

第6回異文化トレーニング

異文化トレーニングメソッドを知り、実践することで理解を深めます。

第7回 DVD『ハーフ』視聴

　日本で暮らすハーフの人たちの思いやライフストーリーを聞き、その状況を理解しようとします。

第8回 DVD「ハーフ」視聴から考える

　「ハーフ」の続きを視聴します。「ハーフ」の人たちの悩みや問題を文化やカテゴリー化の視点で考え合います。その「ハーフ」を視聴しての気づきをグループごとに発表します。

第9回異文化の理解

　異文化理解の疎外要因としての偏見や差別のメカニズムを理解し、それらを低減するために必要なことを考え合います。

第10回山形在住外国人の現状と文化的背景を考える

　山形に暮らす海外にルーツを持つ人達の状況と文化的背景を知ります。

第11回インタビュー準備①

　インタビューの方法を知り、山形に暮らす海外にルーツを持つ方の背景を調べるとともに、インタビューをする内容を考えます。

第12回インタビュー準備②

　インタビューする内容をさらに考えます。

第13回インタビュー実施

　海外にルーツを持つ人へのインタビューを実施します。

第14回インタビュー結果発表

インタビューをふりかえり、異文化コミュニケーションについて改めて気づいたこと、わかったことを確認し、多文化共生に必要なことを考え合います。

第15回まとめ

　授業全体をふりかえり、多文化共生に必要なコミュニケーションの形や考え方を確認します。

■ 時間外学修
　授業で学んだことを配布したテキストコピーを熟読しながら復習整理し、次回に他者に説明できるようにする（およそ４時間）課題やレポートのために資料を探索し、また執筆する（各課題についておよそ２時間×５回＝１０時間）インタビューとその発表のために、グループで準備する(およそ５時間×２回＝１０時間)実施したインタビューのスクリプトを作成する(およそ６時間)

■ 課題に対するフィードバック
　回収した課題レポートは、返却時に簡単にコメントし、全体に関する講評を実施予定

■ 使用テキスト・教材
　授業中に教材プリントを配布します

■ 参考文献等
八代京子他編『異文化トレーニング』【改訂版】三修社、2009
加賀美常美代・横田雅弘他編『多文化社会の偏見・差別』明石書店、2012
松尾慎編著『多文化共生　人が変わる、社会を変える』凡人社、2018

■ 備考

2022年度 シラバス 短期大学部 現代福祉学科

2022年度　シラバス　　短期大学部　現代福祉学科