生活支援技術Ⅰ
開講年次:1年次
卒業:選必 介護福祉:必修
開講時期:前期 授業形態:講義・演習 授業回数:30 回 時間数:60 時間 単位:2 単位
菊地一穂(実務経験あり)、横尾成美(実務経験あり)、志田清美(実務経験あり)
■ 科目のねらい
この科目は、現代福祉学科の3つのディプロマ・ポリシーを身につけることを目標に設置されたカリキュラム・ポリ
シー「人間の幸せと社会のあり方を幅広く捉え、『尊厳の保持』『自立支援』を踏まえ、介護を必要とする人のあ
らゆる場面に汎用できる専門的な知識・技術・態度を養う」ための科目である。介護福祉士必修科目であり、人間の
幸せと社会のあり方を幅広く捉えて、「尊厳の保持」「自立支援」を踏まえ、介護を必要とする人のあらゆる場面に
に汎用できる専門的な知識・技術・能力を養うために設置した科目である。介護を必要とする人に対して適切な介護
を提供するために全人的な理解と共に人間の成長と発展ならびに障がいの医学的側面の基本的知識と技術を持っ
て、常に科学的根拠のある介護を提供するための基本的な介護技術を習得する。また、事例演習を通して人間の尊厳
や人権を尊重する基本的な態度と倫理観および介護福祉士としてのコミュニケーション力、協調性を身につける。
(DPに対応する中項目:⑤、⑥、⑦、⑧)
■ 授業の概要
介護を必要とする方々が、「自立した生活」を継続するために必要な基本的な介護技術の理解と方法の実際を、演習
を重ねながら体得する。介護者は単なる技術提供者ではないので、ICFの視点に基づき対象者の生活全体を把握し、状
態に適した介護サービスを提供できるように生活行為ごと学んでいく。介護技術で用いるのは、介護者自身の手や身
体であることが多い。授業者が福祉施設で介護福祉士・理学療法士として利用者と関わってきた経験を活かして、事例
を用いながら尊厳ある自立した生活の継続を支援するための基本的な技術の学習を進めていく。授業の進め方は、個
別またはグループごと体得状況に応じて演習を行っていく。
■ 達成目標・到達目標
①ICFの視点に基づき、対象者の全体像を捉え説明できるようになる。
②生活行為ごと留意点を踏まえ、基本的な介護技術が実践できるようになる。
③対象者に適した科学的根拠に基づく介護技術が展開できるようになる。
④福祉用具の活用方法を理解し説明できるようになる。
⑤介護福祉士としての基本的態度を身につけ、常に対人援助職としての自覚をもって実践できるようになる。
■ 単位認定の要件
上記項目の①~⑤の項目全てについて、60%以上理解すること。
■ 単位の認定方法及び割合
期末試験:50% 授業内提出物:10% 授業内試験:40%
■ 授業計画
- 第1回 オリエンテーション
-
・授業の進め方、介護実習室の使い方(掃除)、授業へ臨む態度などを確認する
・高齢者の特徴、暮らしを理解する
・生活支援技術の基本的な考え方を理解する
- 第2回 コミュニケーション
-
・高齢者の特徴、暮らしを理解し、介護場面におけるコミュニケーションの実際を理解する
- 第3回 休息・睡眠の介護①
-
・休息につながる生活しやすい環境の整備について理解し、福祉用具(ベッド)の使用方法を習得する
- 第4回 休息・睡眠の介護②
-
・利用者の安眠を促すための環境を整える支援を理解し、安眠を促すための基本的技術を習得する
(ベッドメイキング:2人で行う場合)
- 第5回 自立に向けた移動の介護①
-
・自立に向けた移動とは何かを知り、移動・移乗の介助における基本的な視点を理解する
(人間の骨格・筋肉等の名称、麻痺障がい部位、関節可動域、良肢位等)
・ボディメカニクスについて学ぶ
- 第6回 自立に向けた移動の介護②
-
・移動・移乗の介護における基本的な視点を理解する。人間の身体の動きを理解し、起居動作の一連の
動き(上方移動、水平移動など)を理解し、安全・安楽な介助方法を学ぶ
- 第7回 自立に向けた移動の介護③
-
・体位変換の必要性や良肢位を理解する
・体位変換の実際:麻痺がある方の(一部介助)上方移動、水平移動、起き上がり、端座位、立ち上がりの
一連の動作を理解する
- 第8回 自立に向けた移動の介護④
-
・体位変換の必要性や良肢位を理解する
・体位変換の実際:麻痺がある方の(一部介助)上方移動、水平移動、起き上がり、端座位、立ち上がりの
一連の動作を理解する
- 第9回 自立に向けた移動の介護⑤
-
・歩行のポイントを知り、歩行介助に関するアセスメントの視点を学び、留意点を理解する
・歩行に関する福祉用具の種類や選択要件を学ぶ
・端座位から歩行までの基本的な一連の動作を理解する(2動作歩行、3動作歩行)
- 第10回 自立に向けた移動の介護⑥
-
・杖歩行介助の実際:端座位から歩行までの基本的な一連の動作を理解する
・平地・溝越え・階段(段差)での介助ポイントと留意点を理解し、安全に介助する方法を理解する
- 第11回 自立に向けた移動の介護⑦
-
・車いす介助に関するアセスメントの視点を学び、留意点を理解する
・車いすの基本構造や福祉用具の種類や使用方法を理解する
・車いす介助の実際:麻痺がある方への移乗介助のポイントを理解し、安全に介助する方法を習得する
- 第12回 自立に向けた移動の介護⑧
-
・車いす介助の実際:麻痺がある方への移乗介助のポイントを理解し、安全に介助する方法を習得する
(臥床状態から車いすへの移乗・移動までの一連の動作)
- 第13回 自立に向けた移動の介護⑨
-
・車いす介助の実際:麻痺がある方への移乗介助のポイントを理解し、実際の車いす体験を通して安全・
安楽に介助する方法を習得する(学内敷地内における段差・坂道・エレベーター等を使用した移動介助)
・安楽な姿勢・体位を保持する介助の目的を学び、褥瘡予防や体位変換の必要性を理解する
- 第14回 総合演習①
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・生活空間の環境を整える。快適なベッドメイキングができる(授業内試験)
- 第15回 自立に向けた身じたくの介護①
-
・自立に向けた身じたくの介護のアセスメントを学び、留意点を理解する
・整容介助:介助が必要な対象者を理解し、安全な介助方法を習得する
(洗顔・整髪等)
- 第16回 自立に向けた身じたくの介護②
-
・衣服の着脱介助の実際:衣服着脱のアセスメントの視点を学び、留意点を理解する
・座位姿勢での衣服の着脱の一連の動作を理解し、安全な介助方法を習得する
(前開き、かぶり、ズボン、靴下、靴)
- 第17回 自立に向けた身じたくの介護③
-
・衣服の着脱介助の実際:ベッドに寝たままでの衣服の着脱の一連の動作を理解し、安全で安楽な
介助方法を習得する(前開き、かぶり、ズボン)
- 第18回 自立に向けた身じたくの介護④
-
・衣服の着脱介助の実際:ベッドに寝たままでの衣服の着脱の一連の動作を理解し、安全で安楽な
介助方法を習得する(前開き、かぶり、ズボン)
- 第19回 自立に向けた食事の介護①
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・食事の目的とメカニズムを学び、アセスメントの視点を理解し、安全な介助方法を習得する
・椅子、車いすでの安全な食事介助方法を学び、習得する
- 第20回 自立に向けた食事の介護②
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・食事介助の実際:利用者の状態に合わせた椅子、車いすでの安全な食事介助方法を学び、習得する
・全盲な方へのクロックポジション
- 第21回 自立に向けた排泄の介護①
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・排泄のメカニズムを学び介助を行う上でのアセスメントの視点を理解する
・排泄の福祉用具の使用方法と紙おむつの種類を学ぶ
- 第22回 自立に向けた排泄の介護②
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・自立度の高い方への排泄介助を学び、体験を通して留意点を理解する(トイレ介助)
- 第23回 自立に向けた排泄の介護③
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・自立度の高い方への排泄介助方法を学び、体験を通して留意点を理解する(ポータブルトイレ)
- 第25回 総合演習③
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・事例検討:利用者の情報をアセスメントし、支援内容を検討し実施する(授業内試験)
- 第26回 総合演習④
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・事例検討:利用者の情報をアセスメントし、支援内容を検討し実施する(授業内試験)
- 第27回 自立に向けた入浴・清潔保持の介護①
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・実技試験の事後指導
・入浴の意義と目的を理解し、清潔に関するアセスメントの視点を学び、清潔にする方法を理解する
・入浴介助における介助のポイント・留意点を理解し、安全・安楽な入浴介助方法を学ぶ
- 第28回 自立に向けた入浴・清潔保持の介護②
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・寝たままでの洗髪介助のポイント・留意点を学び、安全・安楽な介助方法を習得する
・入浴体験を通して、入浴介助のポイント・留意点を学び、安全・安楽な介助方法を習得する
(特殊浴槽、家庭浴槽)
- 第29回 自立に向けた入浴・清潔保持の介護③
-
・入浴体験を通して、入浴介助のポイント・留意点を学び、安全・安楽な介助方法を習得する
(特殊浴槽、家庭浴槽)
- 第30回 自立に向けた入浴・清潔保持の介護④
-
・入浴体験を通して、入浴介助のポイント・留意点を学び、安全・安楽な介助方法を習得する
(特殊浴槽、家庭浴槽)
■ 時間外学修
・授業で配布したワークシートは、テキストを参考にし手順・留意点を自分でまとめ、理解した内容や不明な
点等をノートにまとめる。(目約時間:毎回約1時間)
・次回授業を行う単元を読み、必要に応じて演習内容のポイントをあらかじめノートにメモする。
(目約時間:毎回約1時間)
・授業内試験には、事前課題の内容を理解し練習をして臨む。また、事後課題は自己を客観的に振り返り、
課題を明確にしてノートにまとめる。(目安時間:約10時間)
■ 課題に対するフィードバック
自宅でまとめたワークシートを基に振り返りを行う。回収したワークシートについては、返却時に簡単な
コメントをする。また、全体に対してもコメントを行う予定である。
■ 使用テキスト・教材
最新・介護福祉士養成講座第6巻『生活支援技術Ⅰ』第2版、同第7巻『生活支援技術Ⅱ』第2版(中央法規出版)
■ 参考文献等
最新・介護福祉士養成講座巻11巻『こころとからだのしくみ』第2版、同第9巻『介護過程』第2版、同第12巻
『発達と老化の理解』第2版(中央法規出版)
『からだの地図帳 The Atras of The Human Body』(講談社)
■ 備考
・この科目は主に介護実習室で演習を中心に行う。
・授業に臨む前に、服装、身だしなみなどを整え、手洗い、消毒を済ませておくこと。また、感染対策を徹底し、
不織布のマスク着用の上演習に臨むこと。
・環境整備後の授業からは、毎回ベッドメイキングをしておくこと。
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