シラバス

ジェンダー論

開講年次：2年次

卒業：選必

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

齋　藤　由美子(実務経験あり)

■ 科目のねらい
この科目は、現代福祉学科のディプロマ・ポリシーである「現代福祉学科が学修の成果として求める、知識・技術・態度（人間性）を身につけ、地域、社会で実践することができる人材育成」を目標に設置されたカリキュラム・ポリシー「地域の人々がより豊かな生活を送ることができるよう、実践的な地域活動や余暇活動の科目」である。（ＤＰ中項目①⑦）

■ 授業の概要
　この科目では社会の中で見えないルールとして潜在し、内面化しているジェンダーの概念を理解し、その視点で現代の暮らしや社会問題を分析し、そこから自らと社会を多角的に見る視点を養うことを目的としています。
　授業では、授業者の男女共同参画センターでの実績や事例も活かしながら、講義やDVD視聴、グループワークを多く取り入れ、ジェンダーの概要や形成されるメカニズムを学びます。さらに身近な現代の家族や介護、労働の問題をジェンダーの視点で考え分析し、自分の問題として捉えると共に、誰もが生きやすい男女共同参画社会について考察を深めます。

■ 達成目標・到達目標
①ジェンダーに関わる基礎的な知識を得、日常のくらしの問題と結びつけて説明できるようになる
②グループワークの中で、多様な意見を聞き、自分との相違点を発見・分析し、発表できる
③ジェンダーの視点から社会事象や社会問題を考察し、その結果を論理的に記述できるようになる
④得られた知識や経験を、自らの生き方選択やキャリア形成の一助とすることができる

■ 単位認定の要件
①～④項目について、６０％以上達成すること

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート：40％　授業内提出物：40％　授業内活動：20％

■ 授業計画

第1回講義ガイダンス　ジェンダーの概要を知る

　講義の概要を知ります。
　さらにジェンダーを自分の暮らしと結びつけて考え、概要を理解します。

第2回性の多様性

　性の多様性、性的少数者について理解を深めます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さらに、SOGIの考え方を知り、性のグラデ―ションの中での自身の位置を考えます。

第3回構築されるジェンダー

　ジェンダーを形成する担い手としてのメディアを考えます。

第4回らしさと性別役割分業

　社会で期待される女/男性像と性別役割分業について考えます。

第5回恋愛・結婚とジェンダー

　恋愛・結婚とジェンダーがどのようにかかわっているかを考えます。

第6回家族の諸問題を考える

　近代家族・主婦の誕生、そこから生まれた現代の家族の問題を考えます。

第7回労働の問題を考える

　有償労働・無償労働とは何か、ケア労働とは何かを理解し、現代の働き方をジェンダーの視点で考えます。

第8回くらしと仕事を考える１

　現代の男女が望む生き方・働き方(ライフコース）と、それが実現できにくい要因を考えます。さらに自分自身の望む生き方と他の人のそれを共有し合います。

第9回くらしと仕事を考える２

　私たちが望むワーク・ライフ・バランスを実現するためには何が必要かを考え合います。
　さらに他の国の実情と取り組みを知ります。

第10回社会問題とジェンダー１　貧困とジェンダー

　現代の日本社会の貧困をジェンダーの視点で考えます。

第11回社会問題とジェンダー２　ケアとジェンダー

　男性介護者の問題から、介護をジェンダーの視点から考えます。

第12回社会問題とジェンダー３　暴力とジェンダー

　社会問題としてのDV・デートDVや性暴力の現実とその背景について考えます。さらにそれらを防ぐためには何が必要かを考えます。

第13回男女共同参画社会への取り組み１

　山形県における男女の「くらしと仕事」の実情と問題を考え、行政の男女共同参画の取り組みを知ります。さらに男女共同参画社会の実現のためには何が必要かを考え合います。

第14回男女共同参画社会への取り組み２

　生きやすい社会を作るには？男女共同参画社会基本法、男女雇用機会均等法など男女平等な社会を目指すための法律についてDVD視聴も通しその意義と問題点を考えます。

第15回ジェンダーと私

　生きやすい社会とは？男女共同参画社会とは？これまで学んだことをふり返り、私たちの生き方、これからの社会との関連を考えます。

■ 時間外学修
授業で学んだことを授業プリント、新聞記事を熟読して復習し理解を深め、他者に説明できるようにする（目安時間：約８時間)
・課題やレポートのための資料探索及びレポートの執筆（各課題について６時間）

■ 課題に対するフィードバック
回収したレポートに関しては、返却時に簡単なコメント、ならびに全体に対して、いくつかのレポート（考え方）の紹介、全体の講評を行う

■ 使用テキスト・教材
授業中に教材プリントを配布

■ 参考文献等
千田有紀他著　2013『ジェンダー論をつかむ』有斐閣
伊藤公雄・牟田和恵著　2015『ジェンダーで学ぶ社会学(全訂新版）』世界思想社

■ 備考
ジェンダーに関係すると思われる社会問題に関心をもつことが望まれます。日頃から関係すると思われる新聞等の記事を読んでおいてください。
グループワークを大切にしますので、自分なりの考えを述べ主体的に参加することが必須です。

2022年度 シラバス 短期大学部 現代福祉学科

2022年度　シラバス　　短期大学部　現代福祉学科