シラバス

社会的養護Ⅰ

開講年次：1年次

卒業：選択　　保育士：必修

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

佐久間　美智雄（実務経験あり）

■ 科目のねらい
この科目は、保育・教育の本質理解のための専門科目であり、この本質理解を基礎にした多角的、総合的視野を持って自身の保育観を構築することがねらいです。社会的養護の基本原理を学び施設保育の役割を理解すること。この科目は、「専門科目の保育の本質・目的」に該当するものです。（DP中項目①）

■ 授業の概要
本講議は、社会的養護を理解させることをねらいとしています。授業では、歴史的展開、今日的特徴、問題発生の構造的理解、社会的養護の必要性やその制度的体系を前半の授業で学び、中盤は日本の社会的養護の中心を担う児童福祉施設の役割と養護の実際、施設の持つ機能と特質、養護の基本原理等を学び、後半は、家庭型養護としての里親制度等を取り上げます。授業全体を通して、授業者が児童福祉施設での現場体験を活かし、実践事例も取り入れながら、講義を進め、社会的養護を必要とする子どもたちの成長と安心で安定した生活を支え、自立を支援していく施設保育士の役割を理解してほしいと思っています。

■ 達成目標・到達目標
①社会的養護の成立過程から、国際的な子ども観や養護観を説明することができる。
②養護実践の理論的な裏づけとなる基本原理を説明することができる。
③社会的養護における人権擁護および自立支援について理解し、説明することができる。
④施設養護を担う保育者として必要な専門性を説明することがでる。

■ 単位認定の要件
上記①～④の項目について、６０パーセント以上理解ができていること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末レポート：60％　授業内提出物：20％　授業内活動：20％

■ 授業計画

第1回社会的養護を学ぶ意義

保育士の職務を自覚し、その役割を担うために社会的養護を学ぶ意義を理解し、その意義について考えられ
るようになる。

第2回社会的養護の理念と概念

社会的養護の基本原則としての理念と概念を理解する。

第3回社会的養護の歴史的変遷

社会的養護の歴史を学ぶことを通じて、現代の問題をより明確に捉え、これからの社会的養護の課題と方向
性を学びとる。

第4回児童家庭福祉の一分野としての社会的養護

児童福祉における位置づけられた社会的養護の課題と方向性を学びとる。

第5回児童の権利擁護と社会的養護

社会的養護における児童の人権擁護を正しく理解し、その意義について考えられるようになる。

第6回社会的養護の制度と法体系

社会的養護における児童の制度と法体系を正しく理解し、その意義について考えられるようになる。

第7回社会的養護の仕組みと実施体系

社会的養護における児童の仕組みと実施体系について正しく理解し、その意義について考えられるようにな
る。

第8回家庭的養護と施設養護の機能と特質

家庭的養護と、施設養護のもつ利点とデメリットについて理解し、その意義について考えられるようになる
。

第9回施設養護を担う職員

授業担当者は、施設職員であった経験を活かし、その職務の具体的な内容を紹介する。施設養護における専門性と、職員のあり方について学ぶ。

第10回施設養護の内容と実際

授業担当者は、施設職員であった経験を活かし、その内容を紹介する。施設で行われている日常生活及び自立に向けての援助の実践内容について学ぶ。

第11回施設養護とソーシャルワーク

授業担当者は児童福祉施設で展開されている具体的なソーシャルワークを紹介し、受講者はその内容を理解する。

第12回施設等の運営管理と運営基準

児童福祉施設の運営と管理が、どのような基準で位置づけられているか学ぶ。

第13回倫理の確立

社会的養護における利用者支援の倫理観について学ぶ。

第14回被措置児童等の虐待防止

被措置児童等の虐待防止について現状とその対応を学ぶ。

第15回社会的養護と地域福祉

社会的養護と地域福祉について学びこれまでの授業の総括を行うと伴に、理解の不足している部分を補う。

■ 時間外学修
保育実習指導ⅠＢ（施設）とも関連する科目であり、児童福祉施設の役割と機能など事前に調べておくこと。

■ 課題に対するフィードバック
授業の中での課題を提出する。

■ 使用テキスト・教材
坂本健編『実践に活かす社会的養護Ⅰ』ミネルヴァ書房

■ 参考文献等
『国民の福祉と介護の動向』2018／2019　厚生労働統計協会

■ 備考

2022年度 シラバス 短期大学部 子ども学科

2022年度　シラバス　　短期大学部　子ども学科