シラバス

こころとからだのしくみⅡ

開講年次：1年次

卒業：選必　　介護福祉：必修

開講時期：後期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

橋　本　美　香（実務経験あり）

■ 科目のねらい
　この科目は現代福祉学科の３つのディプロマ・ポリシーを身につけることを目標に設置されたカリキュラム・ポリシー「介護の実践に必要な知識の観点から、人間の成長と発達や障がいに関する医学的な知識を深める」ための科目であり、介護福祉士必須科目である。介護を必要とする人に対し、根拠をもって介護過程を展開し、生活支援技術を提供するなど、介護実践を行うために必要な生活機能・移動・身じたく・食事に関連したこころとからだのしくみを理解することをねらいとしている。また、保健医療分野とチーム活動を展開していく上でも人体についての理解は必要不可欠である。
(DP中項目①、⑥)

■ 授業の概要
　この授業では、根拠ある生活支援技術を実践するために必要な生活機能に関連した根拠となるこころとからだのしくみを理解した上で、移動・身じたく・食事のサービスの提供における安全への留意点や心理的側面への配慮について学ぶ。得られた知識は、生活支援技術を実践するために必要な情報収集やアセスメント力を強化し、支援を必要とする人の状態にあった生活支援技術を提供するために役立つ。また、解決に向けてチームで具体的な行動を生み出すための力になる。授業者は看護師としてこれまで関わった実践事例などを取り入れながら解説し、移動・身じたく・食事に関連したこころとからだのしくみを理解し，心身機能の低下が及ぼす影響と対応について教授する。

■ 達成目標・到達目標
①日常生活支援としての移動・身じたく・食事におけるこころとからだのしくみについて説明できる。
②心身機能の低下が移動・身じたく・食事に及ぼす影響と対応について説明できるようになる。
③移動・身じたく・食事に関する生活支援技術の理解を深め、その根拠について説明できる。
④介護過程を展開するための情報収集、アセスメントについて関連づけることができる。

■ 単位認定の要件
①～④の項目全てについて、６０％以上理解すること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末試験：100％

■ 授業計画

第1回医学的知識と日常生活支援技術との関連性、アセスメント、医療職との連携

日常生活支援に医学的知識がどのように生かされているかを学ぶ。また、知識がアセスメントと
どのように関連しているのか、医療職との連携方法についても学ぶ。

第2回移動に関連したこころとからだのしくみ(1)

移動が日常生活に及ぼす意義、移動(活動)に伴い使用する筋・骨格について学ぶ。
基本的な姿勢・体位保持のしくみ、座位保持のしくみ、立位保持のしくみ、歩行のしくみ、重心移動・バランスなど。

第3回移動に関連したこころとからだのしくみ(2) 移動に影響を及ぼす機能の低下・障害

麻痺、骨粗鬆症、骨折、転倒、神経疾患などの病的要因、廃用症候群、フレイル、ロコモティブシンドローム、
褥瘡など活動低下が生じるメカニズムや状態、病態について学ぶ。

第4回 "移動に関連したこころとからだのしくみ(3) 機能の低下・障害が移動に及ぼす影響 "

視覚や聴覚の障害、脳梗塞やリウマチなどの疾患が移動に及ぼす影響について学ぶ。

第5回移動に関連したこころとからだのしくみ(4) 移動に関するこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連

移動支援に必要な心身の観察項目、アセスメントについて学ぶ。

第6回 "移動に関連したこころとからだのしくみ(5) 移動に関するこころとからだの変化の気づきと医療職などとの連

移動支援におけるボディメカニクス、リハビリテーションや、異常が生じた際の医療職との連携について学ぶ。

第7回身じたくに関連したこころとからだのしくみ(1)

身じたくの意義、身じたくを行う上での身体機能、心理状態について学ぶ。
顔・口腔・毛髪を清潔にするしくみ、更衣をするしくみ。

第8回 "身じたくに関連したこころとからだのしくみ(2) 機能の低下・障害が身じたくに及ぼす影響① "

心身機能が身じたくに及ぼす影響、心身の機能低下・障害が身じたくの活動に及ぼす影響について学ぶ。
身じたく(洗顔、髭剃り、整髪や結髪、更衣)への影響

第9回身じたくに関連したこころとからだのしくみ(3) 機能の低下・障害が身じたくに及ぼす影響②

口腔を清潔に保つことに関連する機能低下・障害の原因(上肢の機能障害、視覚障害、精神機能低下、
口腔機能の低下・障害など)。機能の低下・障害が及ぼす口腔を清潔に保つことへの影響(歯周病・
むし歯・歯牙欠損・口腔炎・嚥下性肺炎・口臭など)。

第10回身じたくに関連したこころとからだのしくみ(4) 身じたくに関するこころとからだの変化の気づきと医療職な

身じたくの支援に必要な心身の観察項目、アセスメントについて学び、変化や異常が生じた際の医療職と
の連携について学ぶ。

第11回食事に関連したこころとからだのしくみ(1) 食事の意義、生命活動に必要な栄養

食事の意義、食事における心理、生命活動に必要な栄養について学ぶ。
必要栄養量・水分量、ライフステージ別栄養量、身体活動に応じた栄養量、食事バランスガイド。

第12回食事に関連したこころとからだのしくみ(2) 摂食動作、食欲など

摂食、消化と吸収における身体機能について学ぶ。食べるしくみ(姿勢、摂食動作、咀嚼と嚥下)。
食欲・おいしさを感じるしくみ(空腹・満腹・食欲に影響する因子、視覚・味覚・嗅覚など)。のどが渇くしくみ。

第13回食事に関連したこころとからだのしくみ(3) 機能の低下・障害が食事に及ぼす影響

食事に関連する機能の低下・障害(摂食・嚥下障害、誤嚥と窒息、脱水、姿勢保持困難、生活リズムの変調、
食欲低下、便秘)、機能の低下・障害が及ぼす食事への影響(低血糖、高血糖、低栄養)について学ぶ。

第14回食事に関連したこころとからだのしくみ(4) 食事に関連したこころとからだの変化の気づきと医療職などとの

食事の支援に必要な心身の観察項目、アセスメント方法について学ぶ。

第15回食事に関連したこころとからだのしくみ(5) 食事に関連したこころとからだの変化の気づきと医療職などとの

食事における摂食・嚥下リハビリテーションや、栄養状態アセスメント、異常が生じた際の医療職との連
携について学ぶ。

第16回期末試験

期末試験を行う。単位認定基準に基づき評価を行う。

■ 時間外学修
　授業前には専門用語を確認すると共に疑問点はメモして授業に臨む。授業後はノートに整理しまとめ、他者に説明でき
るようにしておく。（目安時間：約30分）
　要介護者等の移動・身じたく・食事に関する資料検索やレポート執筆をすること。（目安時間 : 各レポート約2時間）

■ 課題に対するフィードバック
①授業内で実施した確認テストでは解説を行う。
②適宜，質問に対して解説を行う。

■ 使用テキスト・教材
最新・介護福祉士養成講座11『こころとからだのしくみ』　(中央法規出版)

■ 参考文献等
適宜、配布する。

■ 備考
別巻・リハビリテーション論(メヂカルフレンド社)

2021年度 シラバス 短期大学部 現代福祉学科

2021年度　シラバス　　短期大学部　現代福祉学科