シラバス

医療的ケア概論

開講年次：1年次

卒業：選択　　介護福祉：必修

開講時期：前期　授業形態：講義　授業回数：15 回　時間数：30 時間　単位：2 単位

橋　本　美　香(実務経験あり)

■ 科目のねらい
　この科目は現代福祉学科の３つのディプロマ・ポリシーを身につけることを目標に設置されたカリキュラム・ポリシー「医療職との連携のもとで医療的ケアを安全・適切に実践するために必要な知識・技術・態度を修得する」科目であり，介護福祉士必修科目である。
　本授業では，医療職との連携のもとで経管栄養・喀痰吸引を安全・適切に実施できるように，必要な知識・技術を修得することをねらいとする。
(DP中項目⑥、⑨)

■ 授業の概要
　医療的ケアを実施するためには、医療的ケアに関連する法制度や倫理、医療関係者との連携や関連職種とその役割を理解するとともに、医療的ケア実施における基礎知識を踏まえ、安全かつ適切な実施手順のもと喀痰吸引、経管栄養、救急対応について理解する必要がある。また、医療的ケアの実施に伴い必要となる健康状態の把握とその観察方法、清潔行為・感染予防・滅菌消毒等について理解する必要がある。これらを踏まえた上で、授業者は看護師としてこれまで実施してきた医療的ケアにおける実践事例なども取り入れながら、安全・確実に医療的ケアを実施するための基礎知識の修得につなげる。

■ 達成目標・到達目標
①医療的ケアを実施するうえでの制度の概要及び基本理念と倫理について説明できる。
②医療的ケアの法的根拠を理解し、チーム医療の重要性について述べることができる。
③安全に医療的ケアを実施するための感染予防行動、急変時の対応について説明できる。
④医療的ケアを必要とする人の自立と尊厳を守り、本人および家族に対する心身の支援について説明できる。

■ 単位認定の要件
①～④について60%以上理解すること。

■ 単位の認定方法及び割合
期末試験：80％　授業内活動：20％

■ 授業計画

第1回医療的ケア実施の基礎(1)

人間と社会
介護職の専門的役割と医療的ケア、介護福祉士の倫理と医療の倫理、介護福祉士などが喀痰吸引
などを行なうことに係る制度

第2回医療的ケア実施の基礎(2)

医療保険制度とチーム医療
保健医療に関する制度、医療的行為に関係する法律、チーム医療と介護職員との連携

第3回医療的ケア実施の基礎(3)

安全な療養生活Ⅰ
痰の吸引や経管栄養（医療的ケア）の安全な実施、医療的ケアのﾘｽｸマネジメント、安全管理

第4回医療的ケア実施の基礎(4)

安全な療養生活Ⅱ
急変事故発生時の対応　救急蘇生が必要な状態への対応

第5回医療的ケア実施の基礎(5)

清潔保持と感染予防Ⅰ
療養環境の清潔、感染管理と予防（スタンダードプリコーション）

第6回医療的ケア実施の基礎(5)

清潔保持と感染予防Ⅱ
消毒法、滅菌と消毒、職員の感染予防

第7回医療的ケア実施の基礎(6)

健康状態の把握Ⅰ
こころとからだの健康、健康状態の把握の必要性、心身の健康の理解

第8回医療的ケア実施の基礎(7)

健康状態の把握Ⅱ
健康状態を知る観察の技法、健康状態を把握する項目（バイタルサインなど）、急変状態の把握

第9回喀痰吸引(基礎的知識)(1)

高齢者及び障がい者の喀痰吸引概論Ⅰ
喀痰吸引に関わる人体の構造と機能の基本的理解呼吸の仕組み、喀痰とは

第10回喀痰吸引(基礎的知識)(2)

高齢者及び障がい者の喀痰吸引概論Ⅱ
喀痰吸引に関わる人体の機能の正常と異常高齢者および障がい者、小児の喀痰吸引時の留意点

第11回喀痰吸引(基礎的知識)(3)

高齢者及び障がい者の喀痰吸引概論Ⅲ
喀痰吸引における急変・事故発生時の対応と事前対策

第12回経管栄養(基礎的知識)(1)

高齢者及び障がい者の経管栄養概論Ⅰ
経管栄養に関わる人体の構造と機能の基本的理解消化器官の仕組みと機能

第13回経管栄養(基礎的知識)(2)

高齢者及び障がい者の経管栄養概論Ⅱ
経管栄養に関わる人体の構造と機能の基本的理解消化・吸収に関する症状と対応

第14回経管栄養(基礎的知識)(3)

高齢者及び障がい者の経管栄養概論Ⅲ
経管栄養に関わる人体の機能の正常と異常高齢者および障がい者、小児の経管栄養時の留意点
経管栄養における急変・事故発生時の対応と事前対策

第15回医療的ケアを必要とする人および家族の心理的理解と支援

高齢者及び障がい者の経管栄養及び喀痰吸引のまとめ

第16回期末試験

単位認定基準に基づき評価を行なう。

■ 時間外学修
シラバスに沿って事前・事後学習を行い、授業後は理解したことをノートに整理して他者に説明できるようにしておくこ
と。（目安時間 : 各2時間）　医療的ケアに関わる専門用語や医療的ケアを必要とする人の障害について資料検索ならび
にレポートの執筆をすること。（目安時間 : 各1時間）

■ 課題に対するフィードバック
①授業中に実施する確認テストについては、授業内で解説を行う。
②質問については随時解説を行う。
③回収した課題・レポートについては、返却時に簡単な添削を行う。

■ 使用テキスト・教材
最新・介護福祉士養成講座第15巻『医療的ケア』(中央法規出版)

■ 参考文献等
中央法規出版『こころとからだのしくみ』講談社『からだの地図帳』

■ 備考
授業で配布した資料等は繰り返し使うのでバインダーなどに閉じて毎時持参すること。

2021年度 シラバス 短期大学部 現代福祉学科

2021年度　シラバス　　短期大学部　現代福祉学科