山形県の言語区画は、大きく庄内、最上、村山、置賜、小国に分けられる。南山形地区は村山地方の南部、山形市のさらに南西部、上山市と接するところにある。その言語的特徴は、独自かとも思われる語彙を一部に交えつつも、村山地方にほぼ一致する。その詳細は『山形県方言辞典』(はしがき前掲)『山形県のことば』(平山輝男編、明治書院、1997)、『遠い方言 近い方言』山形大学人文学部編、山形大学出版部、2012)ほかに任せることとし、ここでは本ことば集に関わる範囲で、発音に関わるわずかのことにのみ触れておく。
南山形地区は、古くから出羽の国を貫通する出羽大道が通り、調査地点でもある松原は宿場町として栄えてきた。その概略は山形市観光協会や、南山形地区 - 山形市役所を参照のこと。以下の地図では、青いマーカーをクリックすると地区名と調査協力者の人数がポップアップする。